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土曜日は旅の記憶 Vol.1 『フラナという名の島』




17年前、長男が9歳、次男が7歳の時のクリスマス前に
子供達の父親が家を出て行った。



今後、母子3人で
どのように生きていけばいいのだろうかと
途方にくれる悲しい現実から
ほんの少しでも逃げてしまいたくて
その翌年に、ありったけのお金をかき集めて
飛行機嫌いの長男を、出て行った父親に押しつけ
当時小学2年生の次男を連れて
せめて青い海を見ようと、
『インド洋に浮かぶ真珠の首飾り』と称される
モルディブへ旅をした。







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モルディブは珊瑚礁から成る小さな島々が
1,200程集まってできた国で
そのほとんどの島が、
徒歩で周囲を一回りするのに必要な時間が
10分~30分に満たない小ささだ。
人の住む島は1,200島のうちの約200島。
リゾート島は約100島。
(リゾートにはホテルスタッフとゲストしか立ち入りを許されない)

モルディブに行くということは、リゾート島を選ぶということで
リゾート島を選ぶということは
そのままホテルを選ぶと言うことを意味している。
すなわちホテル=島なのだ。







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飛行機は深夜に空港島に降り
旅行客は三々五々にホテルからの迎えの
ドーニと呼ばれる船に乗り込み
それぞれのリゾート島に向かう。


翌朝、目が覚めた私は見えるもの全てに驚いた。
それまで経験したインドネシアやマレーシアなどの
南国とはまるで違う世界がそこにあったからだ。


ビーチの手前から段々に透き通った水色が深い碧へと変化する海。
パウダースノーのようにさらさらと手のひらからこぼれ落ちる真っ白い砂。
コテージ目の前の海の中の珊瑚の林、そして沢山の色とりどりの魚達。
何もかもが初めて目にするものばかりだった。





今でも目を閉じると満天の夜空の、こぼれ落ちそうな星々が瞼に浮かび
耳を澄ませば、水上コテージの床にぶつかる波の音が聞こえる気がする。






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現実から楽園へ逃れ、帰国の日が近づくにつれ
これからの幼い二人の男の子を成人させるまでの長い日々を想い
がむしゃらに働かなければならない重圧を思い涙が出た。

このまま珊瑚礁の泡となって消えてしまいたかった。
碧い碧い海の底で永遠に魚達と戯れていたかった。




それが叶わないことならば、せめて働いて得たお金で
またこの島に来ようと心から思った。







わずか8日間の旅であったが、
その島、フラナフシ(フシ=島の意)に魅了された私は
もう一度モルディブを訪れたい一心で仕事に励んだ。

その甲斐があってモルディブへは、その後に6度も渡航することができ、
計7度の渡航で訪れた島の数は、
滞在中にピクニックで渡った島も含め20島を超えたが
個性のある島々を色々と味わいたいため
17年前に訪れたフラナ島へは以後一度も訪れていない。


現在ではスパのある高級リゾートになっているらしい。






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あの時の辛かった私たち母子を優しく包んでくれた
フラナという名の島は
今でも、たくさんの恋人達や家族に現実を忘れさせ、
楽園でのひとときの夢を与えてくれているのだろう。


今、私がここにいるこの瞬間も、
遥か南のインド洋に浮かぶ真珠の首飾りの一粒として、
あの時の私に希望を与えてくれたように、
満天の星空の下で漆黒の海に光り輝いているのだろう。





写真は2006年8月に6度目に訪れたハクラクラブ/モルディブで撮影したものです。





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