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運命と夢と現実にもてあそばれて。





被災地では夢と現実が隣り合わせ。

被害にあった町のすぐ隣に、元気な町の存在がある。

中学・高校以来の友と、彼女の妹弟の家を見てまわり

日和山から変わり果てた石巻の街を見下ろした後、

お腹が空いたので市内・蛇田地区にあるイオンに食事に行った。

イオンのある蛇田地区や近隣のあけぼのや向陽町は

今回の震災では津波の被害を免れて、ライフラインもいち早く復旧した。

だから、街は元気だ。

避難所として使われていたイオンは、

4月の再開当初こそは、入場制限があったけれど

GWのこの日は、私の埼玉の自宅近くの北戸田のイオンと、

何ら変わりがなかった。

たくさんの買い物や食事やイベントを楽しむ人々と、

たくさんの笑い声があった。

喧噪に包まれていると、この場所が『被災地石巻』であることを

思わず忘れるほどだ。

「さっきまで見てきた町と、ここ(イオン)の折り合いを

 頭の中でどう付ければいいのか分からない。」

正直に、混乱してしまう胸の内を彼女に伝えると

「私は見ない、ここは見ていないから。

 見ないようにしているから。ここは違うと思う。」

と、彼女の言葉が返ってきた。

仙台で仕事をしている彼女はさらに言う。

「仙台の街の中にいるとさ、どっちが現実で

 どっちが夢なのか分からなくなるんだ。

 夢なら早く覚めてほしいよね。」






食事を済ませ、彼女の久しぶりの買い物に付き合った。

椅子に腰を下ろして、30分も待たされた。

カートに山盛りの食料品。

「つい、主婦の買い物になってしまったわ。」

カートは食料品でいっぱいだったけれど

その他の店舗には脇目も振らない彼女を、内陸の町まで送りとどけ、

実家に帰宅後に、姉にイオンで食事をして、

漠然と違和感を感じたことを告げると

姉も彼女と同じことを言った。

「私はあそこには行きたくない。あそこは違うんだよね。」





何がどう違うのか、説明はできないけれど

3月11日に、全てが変わってしまった街と

3月11日以前のままで、まったく変わらない街を

行き来しながら、暮らさなければいけない現実。

それは、被災地から遠く離れた街に暮らす私たちが

想像も付かないほど厳しい毎日だと思う。

復興・復旧は元気な街や元気な場所から進んでいく。

周りからじわじわと、復興・復旧が進んでいることは確かだ。

けれど、まったく手が付いていない町や場所の方が

はるかに多いのだ。

取り残された人々の気持ちは何処へ行けばいいのかなあ、

いまだに震災を受け入れられない人たちの

夢ならばという想いは、何処へ向けたらいいのかなあと

何も出来ない私を、やはり情けなく思うのだ。





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写真は4月11日の石巻市・中浦交差点付近。

震災から丁度1ヶ月のこの日には

道路の陥没で空いた穴の復旧工事が行われていた。





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同じ場所で5月6日に撮影。

道路の応急処置が済んで車が通行可能に。

上の写真に見える、穴の横のピンク色の家が無くなっていた。

道路脇の看板の「ヨークベニマル」も閉店が決定した。






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この写真は実家付近のミニストップ。

3月27日に撮影した。

駐車場には泥が積もり、津波の被害にあった車が

放置されていた。





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同じミニストップ。

4月11日に撮影。

写真には写っていないが、駐車場の泥を

ホースの水で洗い流していた。

店内の片付けが始まっている様子だった。





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同じくミニストップ。

5月5日に撮影。

駐車場も店内もきれいに片付いて、営業が再開していた。

震災の爪痕は微塵も感じられなかった。





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5月5日の上の写真を撮った時は

パグズを連れてヒトさんと朝のお散歩の帰り道だった。

お腹が空いたのでホットドッグとコーヒーを買った。

パグスを連れていたので、店内で座って食べられず

向かいの「不二屋」の駐車場に置いてあった

壊れたショーケースの上で、ホットドックをパクついた。





叱られることを承知で書けば

震災の影が、まったく見えないイオンでの食事よりも

元気になっていく過程の

震災の爪痕と、復興した町が混在しているこの場所での食事の方が

私にはリアルに感じ、このホットドッグとコーヒーは

最高に美味しかった。







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