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これでいいわけがないじゃないと怒ってみる。





昨夜のNHKニュース。

久々に画面に映った石巻の門脇・南浜町地区。

ニュースキャスターが言う。

「4ヶ月半も経つのに何も進んでいないという印象ですね。」

そうかな?

初めてそこに立つ人には、進んでいないように見えるけど

実際には瓦礫や壊れた建物や焼け焦げた車は

ずいぶんと減った。

その代わりに瓦礫の山は、ため息が出る程成長した。

だから、少しずつでも確かに進んではいる。

キャスターの認識が間違っていたとしても、

石巻の街を放送してくれるのはとてもありがたい。

最近は震災のニュースが減った。

この国のメディアは飽きっぽいし

右にならえで同じ情報しか流さないから、あきらめているけれど

それにしても早過ぎやしないかい?

震災後1週間でバラエティ番組を流した某テレビ局の軽さを、

これでは誰も笑えない。




私がこんなささやかな場所で訴えたって

何の足しにもならないけれど

震災だって原発事故だって苦しんでいる人たちは

まだまだ山ほどいる。

だから、飽きっぽい国民に向って

視聴率のとれる番組や販売部数の伸びる記事に変えてしまわないで。

お願いだから、震災の事を

もっともっと報道して。






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ちっぽけな私の

本当にささやかなブログでさえ

震災当初からみれば

来訪者が四分の1に減った。

最近ではサブブログの方が来訪者の多いことに

素直に笑えない。

震災のことなんて、もうこんなに時間が経っているんだもの

興味がないよね。

「震災のことなんてもうお腹いっぱい。

 ワンちゃんの写真ブログをさらっと読みたいの。」

誰に言われたわけでもないのだけれど、自虐的かつ被害妄想的に

こんな感じなんだろうなと思ってしまう。




こんなんでいいわけがないじゃない。

同じ日本で何が起こっているのか、

毎日を、今だ震災のまっただ中で暮らしている人たちがいることを

お願いだから、忘れないで。






写真は雄勝の町の建物跡にひっそりと咲いていた花。

ちっぽけな私の、本当にちっぽけなブログだけれど

読んで下さる方がゼロになるまで

震災のことを綴っていこうかなと思っている。

ひっそりと、この花のように

華やかではなくても、根を張っていたい。





今週末に石巻のお祭り前夜祭の灯籠流しを

見るために帰省します。

せっかく帰省するので、

南三陸町行きのボランティアバスに乗ります。

今回はお休みがとれないこともあって、日帰りのボラバスです。

南三陸町は石巻から35キロ程離れた港町です。

亡き父が、この町の入り口に建つ観光ホテルがお気に入りで

私もレストランで何度か食事を父と一緒にとりました。

やはり、想い出のある町のひとつです。

一週間程、更新をお休みして

帰宅後に南三陸町でのボランティアの様子をご報告します。










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| Ishinomaki | 09:42 | TOP↑

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最後に選んだのは…









東日本大震災に際しての、2度目のボランティア活動の合間に

被災地行脚をしていた私が

最後に選んだのは、牡鹿半島の北に位置する

小さな港町、雄勝。





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この地で採れる雄勝石で作った

雄勝硯が特産の歴史のある町。




この雄勝も平成の大合併により、石巻市に併合された。

高校時代の同級生が雄勝出身で

高校の寮に住んでいたことから、雄勝の町の名を知った。

私の雄勝に対しての知識はそれだけ。

もちろん訪れてみたのも初めてだ。







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この小さな港町も、他の三陸沿岸の町と同様に

ご多分に漏れず、静寂と瓦礫の山に包まれていた。



奇麗な町。

ああ、もっと早くに来るんだった。


もっとも、被災地の何処に行ってもそう思うのだけど。






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震災の報道写真で見た、

公民館の屋上に鎮座しているバス。





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そうか。

きみはまだ乗っかったままだったんだ。

こうやって実物を見ると

あっぱれだね。

ここから降ろされてスクラップにさせてしまうより

しばらくは、その勇姿を人間に見せつけるといいかもしれないね。






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雄勝硯伝統産業会館。

この屋上にも冷蔵車のコンテナが乗ったままだ。






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デジタル一眼レフを抱えて

町のなかをうろちょろしていたら

おどけた声が聞こえた。

「おまえ、撮ってもらえよ。」

「えー、いいよ。」

「いいって言わないで、せっかくだから撮ってもらえ。」

どうやら私をプレスの人間だと勘違いしているらしかった。






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腕章も付けていない、こんなおばさんが

プレスなわけないじゃない。

うまい言い訳も見つからなかったから

そのままにっこり笑ってカメラを向けた。

「いいですよ。写しましょうか。」



撮ってもらえと仲間から、からかわれていた男性は

柱の陰に隠れてしまった。





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ああ、残念。



雄勝硯伝統産業会館では、何の作業なんだろう?

数名の男性が、汗を流して作業中で

町のなかには、瓦礫運搬のトラックが行き交っており

ボランティアを乗せた満員の観光バスが通り過ぎ

瓦礫の山をせっせと築きあげるショベルカーの音がした。








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静寂と瓦礫の山に包まれているけれど

耳を澄ませ、目を凝らせば

確かに人の息づく音がして

働く人の影が見える。






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そうか。

始まっているんだ。

これは終わりではなくて

始まり。



生活する人の姿は悲しいかな、まだ見えないけれど

人々の営みは始まっている。







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おどけてカメラを向けたその場所には

確かに笑い声があった。





だからこれは

終わりではなくて始まり。

ここからまた始まっていくんだね。





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写真、ヘタだなあ。

せっかくポーズをとってくれたのに

こんな写真しか撮れなかった。






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数年後にまたこの地を訪れたいと思う。

今度は花束とお酒とジュースを持って。

そして海に向って言う。

「おめでとう」




復興を祝う日が必ずやって来る。





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雄勝公民館。

屋上にバスが鎮座している建物のエントランス。



ここもボランティアが入ったのだろう。

キレイに掃除されて、立ち入り禁止のロープが張ってあった。

たぶん、カメラ小僧や、ゾク(死語?)のお兄さんや

廃墟マニアや。その他好奇心旺盛な人たちにとっては

魅力的なスポットなんだよね。

暑い最中に、制服を着た警備員のお兄さんが

立ちっぱなしで、入り口に貼り付いていた。



不心得者がいるおかげで、お疲れさま。



冷たい飲み物を差し入れしたい気持ちを抑えて

(変態のおばさんになっちゃうものね。)

ワーゲンのドアを開けてキーを差し込んだ。

そして私は、私の場所に向った。

愛しいパグズが、待っている私の帰るその場所に。






| Ishinomaki | 10:05 | TOP↑

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やっぱり人間って素晴らしい!








奥松島・宮古島。

嵯峨渓遊覧で有名な風光明媚な土地。





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震災で道路が寸断されて

孤立していたって聞いた。






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野蒜の海岸から見ると穏やかに見えるけど

大変だったんだね。







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野蒜の海岸は、瓦礫とゴミの山がすごいことになってた。

でも、ちゃんと分別してあるの。

手前が布団の山で、奥がコンクリートの山。






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これが壁や床の木材の山。






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そして、ずっと奥に見えるのが

たぶん洗濯機。

それとも冷蔵庫?




えらいなあ、日本人って。




分別に時間がかかって瓦礫撤去が進まないって

批判しているお偉いさんもいるけど

ここは素直に褒めていいんじゃないかって思う。

先のことも考えなくちゃいけないからね。

うん、やっぱり日本人って素晴らしい。






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道路の工事も急ピッチ。

宮古まで、ちゃんと車で行ける。





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すごいなあ。

こんなに工事が進んでいたなんて

思わなかった。

延々と基礎から積み上げた砂利道が

続いていたよ。






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文字通り、復興は道路からなんだね。

道が繋がれば

人や物が行き交える。





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おおい。

君の目からは、地上がどんなふうに見える?

人間のドタバタは可笑しいかい?






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どんなに自然が猛威を振るっても

悲しくて辛くて涙が溢れても、決して負けちゃあいない。

立ち上がって自然と向き合って、そしてまた挑戦する。

人間ってすごいなあ。

やっぱり人間って素晴らしい。








| Ishinomaki | 08:41 | TOP↑

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もう君には、うんざりだ!







子供の頃から、きみにはうんざりさせられていた。






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だって1時間に1本しかなかったし

床はコールタールの匂いがしたし

重いドアを手で開けなくちゃいけなかったし

上下線のすれ違いでの待ち合わせ時間は長いしね。






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さすがに、私が高校生になった頃には

床は木じゃなくなって

ボックスシートがベンチシートに変わったし

1時間で2本程度に本数は増えたけれどね

それでもまだ、重いドアを手で開けなくちゃいけなかったね。

乗り降りしてから、開けっ放しで締めないお客さんがいると

真冬は寒いんだ。

北風がひゅーひゅー、きみの体に入ってきてさ。





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ボタン開閉のドアになった時にはビックリしたよ。

どうやって開ければいいんだろう?って

ドアの前でしばらく考えて、

あやうく降り逃すところだった。





笑っちゃうよね。





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東北新幹線が開通してからは

君のノロいことにうんざりしていた。

だって、上野から仙台まで2時間なのに

仙台から石巻まで、たったの50キロに1時間以上もかかるんだもの。

はやて・こまちが走るようになってからは

大宮から仙台まで、たったの1時間。

それなのに、仙台駅のホームできみの到着を

1時間近くも待たされた日には、泣けちゃった。




きみのようなローカル線しか走ってないんだもんなあ

石巻って。

新幹線が停まって地下鉄が走る仙台が

羨ましくて羨ましくて。

八つ当たりかもしれないけれど

だから、きみにはうんざりだった。






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東名の駅には、きみの走る線路が無いんだ。

あったはずの線路がどこにも無いんだ。

踏切の枕木だって、どこにも無いんだ。





うんざりだったはずなのに

きみがたまらなく恋しいよ。






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『残酷な仕打ち』










くの字に折れ曲がり

泥の中に倒れ果てた仙石線の車両を探して

行き着いた東名の駅。





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ワーゲンから降りて、ひなびた駅の

プラットホームに上り、周りを見回した瞬間に

目に映るもの全てが現実のものとは思えず

叫び出したい衝動を必死で堪え、立ちすくんだ。






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あったはずの陸地の

全ては水の底に沈んだ。






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ここには水田があった。

家があった。

道があった。





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野蒜の海まで陸続きだったはずだ。







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信じられない光景に

呆然と辺りを彷徨い歩いた。






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恐ろしいほどの静けさの中で

この場所から思わず逃げ出したくなり、

踵を返したその瞬間に

動く私の足下から

うわんうわんと音がした。






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私が止まると音も止まり

私が動くと音も動く。






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目を凝らして足下を見ると

おびただしい数の小さな羽虫が蠢いていた。





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その時、恐怖は消え去り、

代わりに感じたのは神の存在。




断っておくが

私は、特定の宗教を持たない。

クリスチャンでも決してない。

けれど

無宗教者ではあるが無神論者ではない。




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人間が累々と営みを続け

築き上げた土地が

5ミリもない小さな羽虫の蠢く土地となる。





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全ては自然に帰るということなのだろうか。






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神が、この土地を自然の元に帰したというのなら

それは、なんという残酷な仕打ちなのだろう。





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けれど、神の存在を感じ得ないほどに

この場所は厳粛で荘厳で神々しい

静寂に包まれていた。






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この日、この地方も

梅雨が明けた。





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太陽はギラギラ眩しかった。






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うっかり日焼け止めを塗り忘れた

剥き出しの腕に容赦なく

日の光が照りつけ

肌が焼けこげるような気がした。





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暑い。

眩しい。






気がつくと、大量の汗が額から流れ

喉がカラカラに乾いていた。






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私は何をしているのだろう?

私は何がしたいのだろう?

相変わらず自問自答を繰り返す。





答えは出ない。

だぶん、ずっと。

けれど、この夏は私にとって

決して忘れられない夏になる。

そう、確信しているのだ。

そして

確かに私は、生きている。







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