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福島のペットシェルターに行ってみて






先々週の7月11日に

福島県の被災動物保護センターにお手伝いに行ってきた。



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何故急に、ペットシェルターのお手伝いを

思いついたかというと

動機は、とっても不純。

とにかく福島県に行きたかったから。

福島に行って、震災直前にお世話になった、

三春のデコ屋敷の奥さんに、お礼を言いに行きたかったから。

だけど、それだけで福島に行くのはもったいなくて

どうせなら、ひと様のお役に立てた方が良いかな? と思ったから。

シェルターのスタッフさんには叱られそうな

そんな甘っちょろい動機。




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動機はともかく

初めて、被災動物保護の現場を目にして

お散歩やお掃除のお手伝いをさせていただいて

感じたことはたくさんあった。




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けれど、不純な動機でボランティアに参加をして

しかも、たった1日だけしかお手伝いしてないし

針の先ほどしか、お役に立てなかった私が

感じたことを、あれこれ言っていい立場には、いないと思う。




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ここまで、動物たちのお世話を続けて行くには

大変なご苦労があったかと思うし。





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だから、事実を少しだけ。



猫さんも犬さんも

空調の整った快適な設備と、健康に留意した管理下の元で

暮らしていました。



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このシェルターの預かり猫は、現在160匹。

うち、飼い主さんの決まった仔は10匹だけ。

犬は現在40頭。

そのほとんどが、中型大型犬のミックス犬で老犬が多く

そのために、里親さんの決まらない仔たちばかり。



私がお手伝いをさせていただいた、このシェルターの他に

福島県内では数軒のシェルターがあって

まだまだたくさんの、引取先が決まらないペットがいます。

その多くは、制限区域内からの保護犬猫と預かり犬猫。

悲しいけれど、これも今、福島で続いている現実。

原発事故が生んだこの仔たちのお世話は

心が強くなくては、出来ることじゃないなあと

情けない私は、たった1日で

お手伝いを終了させてしまったのでした。





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お手伝いが終わった後は

今回の福島行きの主目的である

三春デコ屋敷へ。




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三年半前のお礼を言っても

奥さんは当たり前だけど、私のことなど覚えちゃいなかった。




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けれど、

「わざわざ来てくれたのだから」

と、屋敷内を案内してくださった。

とても優しい奥さんとのひととき。

のんびり穏やかな時間が流れて、記憶に残る出来事が

また一つ増えた気がして嬉しかった。



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帰りがけ

お土産屋さんで、アイスコーヒーを飲みながら

お店のお姉さんとお喋りを楽しんだ。

こんなのどかな山里なのに

原発事故の風評被害でお客さんが減ってしまったって。

震災後1年間は、お店を閉めていたって。

だから

私に出来ること

お土産を買わせていただくことと

お話を聞くこと

それしか出来ないけど

「頑張って」

帰りがけ、そんな気持ちで車の窓から手を振ったら

お姉さん

お店の外まで出て笑顔で見送ってくれた。




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その後、訪れた滝桜の里で、お散歩中のおじさんが

「なんだい、花の季節に来ねえで」

と、立ち止まって話し掛けてくださった。

おじさん

とても、誇らしげだった。





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動物たちの世話をたった一日で諦めた私は

(心が弱いからね)

翌日は普通の観光客になって

小学校の修学旅行以来訪れたことのなかった五色沼に向かった。




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自然散策路を歩いた後は

桧原湖のレストハウス駐車場の隅にある

裏磐梯茶屋で一休み。

個性豊かな店主とのお喋りを楽しませていただいた。




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その後は

猪苗代湖に立ち寄り

かめ丸に乗船して猪苗代湖を周遊。

湖畔の食堂で名物のソースカツ丼を堪能して

ひとりハンドルを握り、帰路に着いた。




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1泊2日の一人旅。

この旅で一番印象に残ったことを

自分のために書き残しておきたい。



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桧原湖のレストハウスで、

お土産品のブースの隅に座って、木彫をしていた男性がいた。

歳は私よりも少し上くらい。

「何処からいらっしゃいました?」

男性から掛けられた言葉に応えて

埼玉から来たこと、元々は石巻出身で、小学校の修学旅行で来たことがあると

そんな短い会話を交わした。

裏磐梯茶屋でソフトクリームを食べた後

その男性が気になって、というより

言葉を交わしたのに、何もお土産を買わなかったことが気になって

男性のブースへ戻って、虫を象った木彫りのブローチを買った。

その際に

昨日、ペットシェルターでボランティアをさせていただいたことや

震災以来足繁く宮城で活動させていただいていることをお話した。

「福島へは、なかなか来れなくて」

そう言って謝る私に男性は、こんな愚痴とも嘆きともつかない言葉を

語り出した。

「私の本職は木彫りのルアー作りなんです。
 
 原発事故の影響で釣り客がかなり減って、商売にならないから

 こうして、土産物を作っているんです。

 だけど、私らには何の保証もないんです。

 制限区域から逃げて来ている人たちには毎月一人当たり

 10万円の生活費が配られます。

 じいちゃんばあちゃん含めて、7人家族だと70万円貰えるんです。

 その他に、なんだかんだと貰えて

 1ヶ月100万円支給される家族がいるんです。

 100万円

 半分は生活費にまわして、半分は貯金するそうです」

「半分だと50万円ですね。半分だけでも贅沢に暮らせますね」

私がそう言うと男性は

「そうでしょう? 
 
 だから、働くのがバカバカしくなるんです。

 勤労意欲がなくなるんです。

 こんなやり方は、間違っていますよね?

 働ける場所や、暮らせる場所を作る方にお金を回さなきゃ。

 細々でも、働けることの方がどんなにいいか」

そうですね、と相づちを打つ私に男性は、

「こんなに長引くとは思ってなかったなあ」

と、ため息を着いた。


お喋りの後、五色沼自然散策路の出発地点まで

バスで戻ると言う私に男性は

バスの乗り場や出発時間を丁寧に教えてくれた。




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バスの時間までは、まだ間があったので

桧原湖湖畔を歩いて、バス停まで戻ると

先ほど、

「ありがとうございました」

とお互いに言い合って分かれたはずの男性が

私に向かって歩いて来た。

「探していたんです。お礼にこれを渡したくて。

 良かったら、使って下さい」

そう言って、男性の手作りの耳かきを差し出した。

「え、いいんですか!」

そう言って遠慮する私に男性は、

「その代わり、また来て下さい」

そう言って、笑顔でレストハウスへ戻っていった。

男性は、そのままレストハウスの中へは入らずに

バスが来るまで、その場で佇んで

私の乗ったバスが走り去るのを、手を振って見送ってくれた。

私もバスの中から、手を振って別れを惜しんだ。




ほんの少しの出会いだったのに

ほんの少しの会話だったのに

たぶん

鬱積した想いが吐き出せたのかしら? と思う。

この男性の言葉に

福島の人が抱える問題や矛盾や苛立や怒り悲しみといった

様々な懊悩が凝縮されているのだと言ったら大げさだろうか。



ふらりと

本当に、ふらりと通り過ぎただけの私に

「本当にありがとうございました。また、ぜひ来て下さい」

そんな言葉をくれた。

だから

お礼をしなくちゃいけないのは、私の方なのに。

ありがとう

福島のひとたち

みんな優しかった。




決して奢っているわけでは無いのだけれど

こうして福島のひとたちの話に耳を傾けること

ほんの少しの会話でも、ほんの少しの時間でも

相手の立場になって

話し相手になることが出来れば

それは、きっと誰かのお役に立てていることなのかなと。

だから

私はまた、福島へ行こうと思う。

時にはボランティア活動で、

時には普通の観光客で。







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