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モノ作りを始める君へ。







一週前の土曜日に

二男の通学している服飾系の学校の

卒業制作のファッションショーを観に行った。





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二男は現在25歳、都内のアパートで一人暮らしをしている。



その二男が大学4年生の時の

ある秋の日に突然就職はしないと言い出した。

大学での専攻とはまったく異なるファッションの道に進みたいので

都内にある服飾系のデザイン学校で勉強をしたいと言う。




冗談じゃない。

今まで君にいったいいくらのお金がかかっていると思う?

わざわざ大学付属の高校に入ったのに(本人の希望でだ)

付属の大学を蹴って、国立を目指して

あたりまえのように浪人して結局私学しか受からないで

塾だ予備校だなんだかだ、どれだけ費やしたか分かってるの?

これ以上は一円たりとも君にお金は出ないよ。






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矢継ぎ早に捲し立てる私に彼は言う。

「バイトをして貯めたお金で入学金と1年目の授業料を払った。」






「授業料を払った?」



頭がくらくらした。

二の句が継げないではないか。

学費だけの問題じゃなくて

君の生活の面倒も、もうみたくはないのよ。

君が大学を卒業するまではと

辛抱して頑張って働いて働いて必死でやってきた。

もう母親として、してあげられることは十分すぎるくらい

やってきたつもりだ。

私は開放されたいのよ。






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母子家庭でも両親が揃っている家庭と同じように

いや、それ以上に不自由な思いだけはさせたくないと

親として出来る限りのことをして育ててきた息子だ。

何不自由なく育てて来た。

だからこそ社会人になったら楽になれると思っていた矢先に

告げられた衝撃的な言葉にパニックになって

乱暴な言葉を投げつける私に、さらに息子は言った。






「卒業したらこの家は出て行くよ。

 母ちゃんの力は借りない。

 残りの学費は教育ローンを借りて払うし

 バイトをして生活費を稼ぎながら学校に通う。」






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「デザイン学校は課題で大変なのよ。

 バイトをしながら通えると思っているの?」

「思ってる。」

「無駄なお金を使わせて、大学で取った免許はどうするの?」

「免許はいらない。オレには一生必要ないんだ。

 今までの学費は返せって言うなら、稼げるようになったら返すよ。」

 とにかくもう母ちゃんの力は借りないから。」





 
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そこまで決心して、そんなふうに考えているのなら

反対する理由なんて何もなかった。





分かった。

大学は、教養を身に付けに通ったと思うことにする。

きっと君のこれからの長い人生で大学に通って卒業したということが

君の自信に繋がることがあるかもしれないしね。








2年前の衝撃的な秋の一日は

無理矢理に、物わかりのいい母親を演じつつ

終えるしかなかったけれど

これからの二男の人生を思うとやりきれなかった。

私自身が企業に属さないでモノ作りで生計を立て

その大変さを身を持って知っており

そして、息子達の父親はモノ作りがうまくいかず

私たちの元から去り

フェイドアウトしてしまっていたからだった。





そして、その日から2年があっと言う間に過ぎた。





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モノ作りを始める君へ。





あれから2年が経ったね。

君は私に告げた通り

都内のアパートでアルバイトをしながら

ひとりで暮らしたね。

大変だっただろうに。

交通費を浮かすために大岡山のアパートから恵比寿の学校まで

自転車で通って。

コンビニのアルバイトから帰って眠らずに課題をこなして

その足で学校に行って、眠い目を堪えて授業を受けて。

時間もお金も足りなくて挫けそうになった日も多かったでしょう。

君の着ている服は1枚も増えていないのを知っているよ。

オシャレな子ばかり集まる学校で

オシャレもしたかったでしょう?

着るものも食べるものも遊ぶことも我慢して

2年間頑張ったね。






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君の作品をお母さんはしっかりこの目で見たよ。

沢山の洋服が登場した後に、君の作った洋服が出てきた時

会場の空気が変わったよ。

分からない人には分からないような洋服だけれど

お母さんには一番に光って見えた。





本当に頑張ったね。






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卒業しても就職先も決まらない君の

モノ作りは始まったばかりだね。

これからは年数回のコンペに挑戦しながら

服や小物を作って売って生計を立てていきたいという

君の道は険しい道だと思う。

けれど君の作ったモノで人が幸せになる瞬間を見ることが出来たなら

君はこの世で一番の幸せ者になれるのだとも思う。




一生ファッションの世界で生きていきたいという君。

その強い意志があれば必ず希望する世界で

生きていけるのだとお母さんは思う。

決してあきらめることなく続けた者だけが

その世界で生きてきた者なのだから。




続けること。

そして、

君は君の人生を悔いのないように生きてほしい。









※写真下2枚が二男の作品です。
 ちなみにモデルの外人の男女は、外語大と渋谷の街角でかたっぱしから声をかけて
 ナンパしたんだって。なかなかやるもんだね~!






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