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石巻市大街道・実家の受けた被害について。その2






石巻市大街道の実家の水道は震災発生17日後の

3月28日に復旧いたしました。

これで、電気と水道が使用できるようになりました。

電話、電気、水道と次々にライフラインが復旧して

残るはガスですが、復旧の見通しが立っていません。

石巻は都市ガスの普及率が低く

ほとんどの家庭でプロパンガスを利用しています。

実家もプロパンガスを利用していますが

津波被害でガス器具が使えなくなりました。

市内には3つのガス会社が有り、実家の利用していた会社が

震災の被害に遭ってしまったため

他の会社に復旧のお願いをしているのですが

「他社のお客さんの面倒まで見られない。」と断られたそうです。

何万という家庭が順番待ちをしている現況では仕方のないことなのでしょう。

仕方がないと言えば、風呂釜も被害にあってしまった実家では

水道が復旧しても、もちろんお風呂には入れません。

実家では、これまで灯油釜+旧式の電気温水器利用だったのですが

旧式の電気温水器はもう販売していないので

エコキュートの購入を考えています。

ところがこのエコキュートが水に浸かってしまった全ての家庭で

交換・修理が必要なのだそうです。

何ヶ月先になるかわからない、果てしない順番待ちです。

スーパー銭湯も被災して、公共の入浴は自衛隊のお風呂のみの石巻。

「お風呂に入りたいでしょう?」と尋ねる私に姉は

「みんなが汚いから、全然気にならないよー!」と明るい返事。

汚いとか汚くないとか、そういう問題ではないよー! と

思わないでもないですが

姉一家は今日も明るく、たくましく、石巻で生きています。






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1階のトイレ。
震災後15日目の3月26日の状態。
片付ける気力が萎えて、ここはまだ手をつけていないと言う姉。
凄い状態だが、水が引いた直後は1階の全てがこの状態だった。



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台所。
床の泥出しは終わっていた。
古い家のため以前から床が凹んでいたが、今回の浸水被害で
歩くたびに、べこべこ凹むようになった。
いずれは張り替えを考えなければいけない。
流し台の中の掃除を引き受けて後悔した。
掃除の終わっていない扉の内側には泥が積もっていて
鍋の中には、大量の泥水が。
掃除したばかりの床がびしょ濡れになる騒ぎになった。




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水洗トイレの普及率も、まだまだ低い石巻では
トイレも大半の家庭では汲取式だ。
ゆえに、津波の水にはトイレの汚水も含まれる。
割れていない食器も、この状態では洗って使用する気持ちにはなれない。
もったいないと思うかもしれないが、泣く泣くゴミに出した。



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床の畳と泥出しが終了した室内。
部屋の中央に見える電化製品は、
乾けば使えるようになるかもしれないと
希望を持って残した製品。
残念ながら乾いても使えなかった。



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甥の泥まみれのジャケットはお気に入りなので
洗ってまた着るらしい。



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他界した母のロッカー。
中に入っている洋服も丸ごとゴミに。




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上の写真のロッカーまでゴミ? と思われるかもしれないが
合板で出来た家具は水に浸かるとこのような状態になる。
薄いベニヤ部分がべこべこになって接合部がはがれ
使えなくなってしまうのだ。
無事だった家具は、オークやチークや桜といった
天然の丈夫な材料で作られているものだけ。
実家ではサイドボードとリビングテーブル
ダイニングテーブルが残った。




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襖の張り替えも必要。
何もかも一辺には無理なのでゆっくりひとつづつ
片付けていかなければ。



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写真上中央に見える自転車は、震災後に甥が
6時間も並んで買った。
盗難される恐れがあるため、家の中に置いてあった。




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掃除を開始して6日目だが、拭いても洗っても
どこかしらから泥が出てきた。



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前日の配給品。
ヤマザキのランチパックが18個。(右側のお菓子は別)
つまり、一人一食2個×朝昼晩の3食で
一日分が6個×3人分で18個だ。
大変ありがたい配給だけれど、
一日の食事がランチパックだけでは、如何なものかと思う。
けれど贅沢は言っていられない。
あらためて、被災地以外に住む我が身の贅沢さを反省した。





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仏壇も泥だらけでぐちゃぐちゃだった。
せめてもと思い、持ち帰った落雁を供えた。
写真を撮ったこの日、一日を掛けて
東京から一緒に帰った姪が掃除をした。




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父が生前に使っていた部屋。
生前のそのままに残していたが、全て津波が消し去った。
床の泥出しが終わり、甥の『大切なもの』の乾燥部屋になっていた。




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風呂桶が浮いてずれてしまった風呂場。
ここも手をいれなければならないだろう。
給湯器が設置されるのが何ヶ月先になるのかわからないので
風呂桶の問題は先送りだ。
それより、費用を考えると頭が痛い。
いったいいくら必要なのだろう。
けれど、家が流されなかっただけ「まだいい」のだ。
与えられた幸せに感謝をして頑張るしかない。




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洗って使える物とゴミにする物と
選別待ちの物たち。




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泥出し作業延べ6日目でも
履いていた靴はこの状態になった。
まだまだ、泥との戦いは終わっていない。




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熱帯魚の水槽。
2センチ程の体長のコリドラスを
10センチまで成長させた。
可愛らしいナマズ君。
助けてあげられなくてゴメン。




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給水車からいくつものバケツに分けて運んだ水も
すぐに泥だらけになった。
ゴム手袋をはめていても、とにかく水が冷たい。
1日半だけの応援で、泣き出したくなった。
これが毎日続けられていたのかと思うと「疲れた」とは口に出せない。
せめてもの想いで、温かい夕飯を二晩用意した。




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3月27日、震災発生16日後の配給品。
この日は品数が多かった。
(写真は2人分。写っていないが3人分貰っている。)
毎日の配給が、被災地では楽しみのひとつになっている。
今日は何が貰えるのだろうと、わくわくするそうだ。
小さなことでも楽しみがあるのは、
とてもありがたくて嬉しいことだと思う。






この写真を撮ってから2週間近くが過ぎて

震災発生からも1ヶ月が過ぎようとしています。

現在の実家の状態は姉に言わせると

「スッキリした」

状態だそうです。

私が埼玉に戻った後に、家の中にあった物の本格的なゴミ出しを始め

家の中に物が無くなってがらんとした状態になったらしいのです。

震災発生時に高い場所に置いてあって無事だった食器が

一昨日に発生した最大級の余震で粉々になってしまったとか。

せっかく片付けた家の中の片付けに、また追われています。

「片付ける物が残っていたんだ。」と驚く私に

「残ってたのよ。」と笑う姉。

地震や津波の恐怖に怯えながらも、明るさは失っていません。

仕方がないと言いながら、片付けに追われる毎日です。

そして、せっかく復旧した水道がまた止まってしまいました。

また、給水車通いが始まります。





私は明日から1泊2日の予定で

現地では入手不可能となった、車と電化製品を届けるために

石巻へ向います。

家が流されたわけでもなく、こうして身内の手助けを得られる姉は

本当に幸せを実感していますし『生かされた』ことに感謝をしています。

あの津波の状況化では、誰もが死と隣合わせだったのです。

そして、私と言えば

やはりこうして、実家の応援だけをしている自分自身に

後ろめたさを感じています。

大変な状況に於かれている方たちがたくさんいるのに

実家の応援だけをしていていいものだろうか?と、いつも考えます。

この疑問は、おそらく、あちらこちらに散らばっている

被災者のご親戚やお身内の方々と共通する想いなのかもしれないと

そう考えながら、答えの出ないまま

私は、今の私が出来る事をしている毎日です。










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