PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

最後に選んだのは…









東日本大震災に際しての、2度目のボランティア活動の合間に

被災地行脚をしていた私が

最後に選んだのは、牡鹿半島の北に位置する

小さな港町、雄勝。





07110725DSC_0302.jpg

この地で採れる雄勝石で作った

雄勝硯が特産の歴史のある町。




この雄勝も平成の大合併により、石巻市に併合された。

高校時代の同級生が雄勝出身で

高校の寮に住んでいたことから、雄勝の町の名を知った。

私の雄勝に対しての知識はそれだけ。

もちろん訪れてみたのも初めてだ。







07110725DSC_0257.jpg

この小さな港町も、他の三陸沿岸の町と同様に

ご多分に漏れず、静寂と瓦礫の山に包まれていた。



奇麗な町。

ああ、もっと早くに来るんだった。


もっとも、被災地の何処に行ってもそう思うのだけど。






07110725DSC_0274.jpg

震災の報道写真で見た、

公民館の屋上に鎮座しているバス。





07110725DSC_0286.jpg

そうか。

きみはまだ乗っかったままだったんだ。

こうやって実物を見ると

あっぱれだね。

ここから降ろされてスクラップにさせてしまうより

しばらくは、その勇姿を人間に見せつけるといいかもしれないね。






07110725DSC_0291.jpg

雄勝硯伝統産業会館。

この屋上にも冷蔵車のコンテナが乗ったままだ。






07110725DSC_0234.jpg

デジタル一眼レフを抱えて

町のなかをうろちょろしていたら

おどけた声が聞こえた。

「おまえ、撮ってもらえよ。」

「えー、いいよ。」

「いいって言わないで、せっかくだから撮ってもらえ。」

どうやら私をプレスの人間だと勘違いしているらしかった。






07110725DSC_0235.jpg

腕章も付けていない、こんなおばさんが

プレスなわけないじゃない。

うまい言い訳も見つからなかったから

そのままにっこり笑ってカメラを向けた。

「いいですよ。写しましょうか。」



撮ってもらえと仲間から、からかわれていた男性は

柱の陰に隠れてしまった。





07110725DSC_0237.jpg

ああ、残念。



雄勝硯伝統産業会館では、何の作業なんだろう?

数名の男性が、汗を流して作業中で

町のなかには、瓦礫運搬のトラックが行き交っており

ボランティアを乗せた満員の観光バスが通り過ぎ

瓦礫の山をせっせと築きあげるショベルカーの音がした。








07110725DSC_0241.jpg

静寂と瓦礫の山に包まれているけれど

耳を澄ませ、目を凝らせば

確かに人の息づく音がして

働く人の影が見える。






07110725DSC_0243.jpg

そうか。

始まっているんだ。

これは終わりではなくて

始まり。



生活する人の姿は悲しいかな、まだ見えないけれど

人々の営みは始まっている。







07110725DSC_0246.jpg

おどけてカメラを向けたその場所には

確かに笑い声があった。





だからこれは

終わりではなくて始まり。

ここからまた始まっていくんだね。





07110725DSC_0297.jpg

写真、ヘタだなあ。

せっかくポーズをとってくれたのに

こんな写真しか撮れなかった。






07110725DSC_0263.jpg

数年後にまたこの地を訪れたいと思う。

今度は花束とお酒とジュースを持って。

そして海に向って言う。

「おめでとう」




復興を祝う日が必ずやって来る。





07110725DSC_0309.jpg

雄勝公民館。

屋上にバスが鎮座している建物のエントランス。



ここもボランティアが入ったのだろう。

キレイに掃除されて、立ち入り禁止のロープが張ってあった。

たぶん、カメラ小僧や、ゾク(死語?)のお兄さんや

廃墟マニアや。その他好奇心旺盛な人たちにとっては

魅力的なスポットなんだよね。

暑い最中に、制服を着た警備員のお兄さんが

立ちっぱなしで、入り口に貼り付いていた。



不心得者がいるおかげで、お疲れさま。



冷たい飲み物を差し入れしたい気持ちを抑えて

(変態のおばさんになっちゃうものね。)

ワーゲンのドアを開けてキーを差し込んだ。

そして私は、私の場所に向った。

愛しいパグズが、待っている私の帰るその場所に。






スポンサーサイト

| Ishinomaki | 10:05 | TOP↑

PREV | PAGE-SELECT | NEXT