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やっと許せた。




先週末に参加をしたボランティアは

埼玉県東松山市の『東松山震災ボランティアの会』主催の

石巻市・鮎川行きのバスツアー。

参加者は17名。

男性10名、女性7名、そしてバスの運転手さんを加えて

全員で18名。

ほとんどの参加者が初対面で

21歳から推定70歳までの、熱い想いを抱えた即席の仲間たちだ。

行程は車中1泊を加えた2泊3日。

ボランティア活動は1日と1時間。(ボランティア内容に関しては後述)

ボランティアの作業が終わった後の宿泊先は

牡鹿半島の先端にある『おしか家族旅行村オートキャンプ場』の

2階建てケビンという豪華版だ。

このキャンプ村は震災の影響があって現在は休業中で

石巻市のご好意で、埼玉県のボランティアの宿泊先として

借りているということらしい。






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キャンプ場であるからして

もちろん夕飯は、皆で手作りだ。





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鮎川の瓦礫だらけの街で、行商をしていたおじさんから買い求めた

有り合わせの材料でカレーを作った。

肉が手に入らなかったので、ホタテの缶詰を利用した

ホタテカレーだ。

1日の作業を終え、疲れた身体で星空の下で

カレー奉行の指導の元で出来上がったカレー。





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キャンプ場の管理棟で

和気あいあいと夕食の準備をする。






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手に入った材料で作った

夏野菜のトッピングと冷や奴。





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倉庫にあった救援物資から拝借した

紅ショウガ。





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キャベツの塩揉みと玉葱とナスの味噌炒めと

牡鹿半島で唯一営業をしているコンビニで買い求めたビールが

私の誕生日の夜の晩餐だった。




もちろん、この夜が私の誕生日であることは

誰にも言わなかったけれど

「お疲れさま」と皆と乾杯して

そして私自身に「誕生日おめでとう」と心の中でつぶやいて

ビールを飲み干した。

疲れて乾いた喉に冷たいビールは最高に美味しくて

ホタテの香りのするカレーは泣けるほど美味かった。



8月27日

誕生日の夜は楽しかった。



6月に初めてボランティアに参加をした時には

笑顔が許せなかった。

参加者が笑顔でピースサインをしながら

記念写真を撮ることが許せなかった。

避難所に寄せ書きを残し、壁に貼り、その前で笑顔で

記念写真を撮ることを「なぜだ?」と腹立たしく感じていた。

活動の手柄を自慢げに話す参加者に腹が立った。

破壊された町並みを見ては涙がこぼれ

被災者の話を聞いて泣いた。





8月の終わり

震災から半年近くが過ぎたこの日に私は、たくさん笑って

ピースサインをして写真に納まって

たくさんお喋りをして、そしてたくさん働いた。

笑顔でいることを、心から楽しいと感じることを

自然に自分自身に許していたことに、気が付いた時には驚いた。

もういいんだよ。

何も出来なくてごめんなさいとか

自分だけが普通に暮らしていることを申し訳ないとか

そんなことを思ったりしなくていいよ。

楽しみながら、ボランティア活動したっていいんだ。

息の長い活動をするのなら、楽しまなくちゃ

それは不謹慎でもなんでもないこと。




時の流れに身を任せて

自分自身の気持ちに正直に、動き回っていた私が

やっとたどり着いたこと。

それは、自分自身を許すこと。

やっと許せたこと。



誕生日の『晩餐』が終わり、真っ暗な道を

懐中電灯の灯りを頼りに管理棟からケビンへ戻る途中で

誰かが「天の川が見える」と言い出した。

懐中電灯の灯りを消して空を見上げた。

満天の星空にはっきりと、雲のような白い帯が見えた。

それは子どもの頃に石巻の夜空で見た天の川そのものだった。

満天の星に抱かれて、子どもの頃の記憶と同じ天の川を見つめて

「誕生日だ、わたし」と、またつぶやいた。

こぼれ落ちそうな星たちに包まれた

故郷での最高の誕生日だった。






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