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さようならの感動をどうやって伝えようか






震災以降2年というもの、足繁く東北に通っていると

思いがけないシーンに出会えることがある。



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3月のことになってしまうが

東松島市牛網「スマイルダイニング」の大工仕事のお手伝いの際には

牛網地区の隣、浜市地区にある小学校の閉校式があった。

津波の浸水地区にある浜市小学校は、この4月から

鳴瀬桜華小学校として生まれ変わる(正確には生まれ変わった)。

この日は、慣れ親しんだ校舎での「さようなら」のイベントが

朝から行われていたらしい。

体育館に屋台を設え、料理が振る舞われていたりしていた

らしい。




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「らしい」と言うのは

私たちが牛網にいた主目的は、もちろん大工仕事であったので

イベントのあることは薄々感じてはいたけれど

まずは、目の前の仕事に集中していたのだ。

そこに、「モンキーマジック」がライブをしているとの情報が入ったので

ミーハー根性丸出しで、車に飛び乗ったのだ。

学校に駆けつけてみると、既にライブは終盤に差し掛かっていた。

それでも、最後の2曲を聴くことが出来た。





20130507IMG_2493.jpg

昇降口から校舎の中に入ると、そこは

ボランティアの手によるのだろうか、きれいに片付けられていいて

被害に遭ったことを一瞬だけは、忘れてしまえる程だが

教室と廊下を隔てる窓にガラスが入っていなかったり

天井に穴が開いていたり。

まさしくここは、津波に襲われた場所なのだ。




20130507IMG_2491.jpg

その傷跡が生々しく残る教室でのライブ。

大勢の子供たちが、ミュージシャンの正面に陣取り

保護者たちが周りを取り囲むように見守っていた。

テレビカメラだろうか、撮影のスタッフと、地区の人々と大勢のボランティア、

そして、作業着姿の私。

青い上下の合羽を着た私は、何だかこの場に不似合いで

ミーハー気分で乗り込んだことが、少しだけ恥ずかしくなった。




夜になってもイベントが行われると聞いたので

日帰り温泉に入浴に行く途中に、また皆で立ち寄った。

そこで行われていたのは

「さとうなら」と別れを告げなければいけない校舎への

立体映像投影だった。

軽快な音楽とともに、校舎に映し出される子供たちが描いた絵と

在りし日の美しい学校と桜の花。

きれいだった。

本当に悲しいほどきれいだった。

だけれども、惜しいかな、写真には写らない。

そこで、iPhoneのムービーで撮ってみた。






動画の写りは、悪い。

しかも、知ったかぶりをしている私の声が

動画を最悪のものとしている。

だから、この動画を公開することを、私はためらっていたのだ。

こんな動画では、あの日に遭遇した「さようなら」の感動が

伝えられない。

そう、思ったからだ。







3Dの立体投影は、校舎を走り回る子供たちを映し出し

「ありがとうございます」の言葉を映し出した。

そして、3月とはいえ、凍える寒さの中

澄み渡った星空に花火が上がり、

キラキラ輝く光の花が消えると同時にイベントが終わった。

それは同時に、この校舎への「さようなら」なのだと

そう思うと、切なさで胸が張り裂けそうになった。



この夜は本当に寒かった。

私の身体は芯の芯まで冷え、風邪をひいて

翌日には熱がでた。

あの場所にいた大勢の人達にとって、あの夜は「感動」という一言で

済ませて欲しくはない、大切な夜だったのだと思う。

けれど私は、素直に感動したことを伝えたい。

どうやったら伝わるのだろうか

分からないまま、この動画をお蔵入りさせることなく

書き進めてしまったけれど

もし誰かにこの気持ちが少しでも伝わったら、それが嬉しい。







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