左官もやります! 奥松島「希望のあかり」
奥松島「希望のあかり」
それは、津波で壊滅的な被害を受けた
宮城県東松島市野蒜地区にお住まいの方たちが中心になって
地域の復興を目指して建設中の仮設の商店街。

GWのプレオープン以来
中心になっておられるご夫婦と、地元の方々や
いくつかの団体、ボランティアが関わり
少しずつ少しずつ、作り上げているとのこと。

どうやら、本格オープンは目の前に迫っているらしい。

ドーム型のテントの店舗の中には
地元の方やボランティアさんたちが用意した
温もりのある小物たちが溢れていた。


これは、羊毛フェルトの「のびる君」
ネギ科の多年草「野蒜」を模した可愛らしいマスコット。
この商店街のアイドルになること請け合いだ。

「あの日のことを忘れないで」
そんな気持ちが込められているのだろうか。
震災直後の野蒜地区の写真が、壁に貼られていた。

先週末の10月5日(土)
私たち「チーム東松山」の自走班4名が
この、希望のあかりを訪れたのは
本格オープンを前に
完成目前の店舗の内装工事のお手伝いのため。

この日の作業は、壁と床の接続個所に
コンクリートを流す(詰める?)お手伝い。
まずは、セメントと砂を混ぜ合わせるところからスタート!

私も面白がって挑戦したものの
砂が予想通りにとても重くて腰が痛み
5分もしないうちに、音を上げてしまいそうになる。
程よく混ぜ合わせたところで水を加えるのだけれど
それからが、増々重くて大変だ。


慣れない作業に、4人とも真剣そのもの。

ご近所の92歳の元気翁に「泥コネは楽しがすぺ?」と声をかけられた。
確かに、この手つきでは泥コネと言われても仕方がないか。

出来上がりは上々。
コンクリートが乾いた後、
無事にガラス戸が閉まればいいのだけど、と
少々不安になる。

ガラス戸といえば
この店舗のガラス窓は全てリサイクル品ということだ。
もちろん津波被害に遭われたお宅から、いただいた物。

入り口の大きなガラス戸だけが
新品なのだそう。

中には、キティちゃんのステッカーが貼ってある窓もあって
その1枚1枚に、本来の持ち主・家族の記憶が残っているのだなあと、
子供部屋の窓だったのかなあと思うと
切なくなった。

翌6日(日)は
女川港から船に乗って金華山へ渡った。

どんな目的で渡ったかというと
年に一度の伝統行事「鹿の角切り」の見物のため。

金華山では鹿は神様の使いであるから
これは、れっきとした神事なのだ。

鹿を追い
投げ縄で捕え
押さえつけ抱え上げ
角を切り落とす様は、凄い迫力だった。

石巻出身の私ではあるけれど
鹿の角切りを見るのは初めてのことで
考えてみると
震災以来、金華山へ観光で訪れるのも
初めてのことだった。

角きりの合間にお参りをして
先日のボランティアで、台風のために作業途中で引き上げた
灯籠修復の現場を見た。
灯籠班が組んだ足場は、あの日のまま、そこにあった。
次回、チーム東松山が金華山へ向かうのは11月の末だ。
何故だかしらないが、私は参加メンバーに入っているらしい。
寒いんだろうなあ、きっと。
けれどみんな、そんなのモノともしないで、
この足場の上で動き回るんだろうな。
その光景が今から目に浮かぶようでも、あるのだが。


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