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土曜日は旅の記憶vol.41『チェコからオーストリアへ』





2013年8月17日(土)

チェスキークルムロフ3日目。


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ホテルの朝食ビュッフェ。

品数は少ないけれど、前々夜のホテルに比べたら

いくぶんマシな感じ。




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昔の貴族の館を改装したホテルなので

レストランのスタッフは一応、中世風のコスプレだった。




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この日はチェコを離れ

この旅の2カ国目の目的地、

オーストリア・ザルツブルグへ向かう予定だ。

前夜、ホテルのフロントで予約をしておいた

お迎えのタクシーまでは時間があったので

ホテルのテラスに出て感傷に浸る。




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前日の私はこのテラスでアイスクリームを食べていた。

たった1日前のことなのに

遠い昔のことのように感じた。

現在というものは、息をした瞬間に過去のものになる。

それが分かっていても

昨日の私がそのままの感情でここに残っていればいいのに

もう2度とこのテラスで寛ぐことはないのだと

そんなことを想いながら写真を撮った。



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その後、ホテルから出て

まだ歩いていなかった、チェスキークルムロフの路地を

歩いてみる。



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観光客の歩いていない道を歩くのも楽しい。




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ホテルに戻って

お迎えのタクシーに乗って

チェスキークルムロフ鉄道駅へ。




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事前に調べていた列車のチケット。

2等、座席指定なし。

簡単に買えた。




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駅のホーム。

田舎っぽくて昔っぽくて懐かしい感じ。




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私は心配性の気があるので

旅に出ると早め早めに行動してしまう傾向があって

ここでも時間を余らせてしまう。


さて、駅前を探検しようかと思ったところで

駅前にはなにも見当たらない。



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仕方がないので、細い駅前通りに面した

生協(CO-OPと看板が出ていた)に入り飲み物を買った。




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駅に戻ってから

日本人の男性二人連れと知り合って

しばし旅の話などを交わした。

彼らは弾丸旅行の真っ最中で

チェスキークルムロフには前夜着いて、

もう発つのだそう。

つまり半日の滞在だ。

彼らの行き先はザルツブルグを経由して

その先のスイスらしい。

スイスに1日滞在した後はドイツを回って帰国だと言っていた。

彼らは旅行関係の会社の社員らしく

研修も兼ねての旅だと言っていたけれど

それにしても凄い日程に驚いた。




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列車が着いたがホームから離れて止まるので、

慌てて駆け寄った。

この列車はローカル線で、国際列車ではない。

この列車に乗ってチェスケ・ブデオヴィーチェという駅で

ウィーン行きの国際列車に乗り換える。

それにしても

ホームは何のため? って思うほど

田舎の列車はまともにホームになんか止まりやしない。




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待ちくたびれたザルツブルグ経由ウィーン行きの列車。

2等の席は、全てコンパートメントだった。

8人掛けのコンパートメントは、どこも満席で

空席があったとしても1人分しかなかったりで

とてもじゃないが

欧州の人たちの家族連れやグループの間に入って

座る気にはなれなかった。

仕方がないのであきらめて「通路の人」となる。




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ところが、車内販売のおじさんがやってくると

逃げ場がなくなるので

否応無しに、コンパートメントの室内に入り

ワゴンをやり過ごさなければいけなくなる。

その度に乗客たちにジロジロ見られるので

とても居心地が悪い。




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しかしまあ

運が良かったのか、1時間ほど乗ったところで

キャンプ場らしき駅に着き

乗客の大半が降りた。

やったー! とほくそ笑んで

8人掛けを一人占め。

「ここにいましたか」

ほどなくして、チェスキークルムロフで出会った日本人の彼が

顔を出してくれた。

少し喋った後、若い可愛らしい女性が(何人かはわからない)

列車が空になって不安だったのだろう

「この列車はウィーンまで行きますか?」と

(英語で)聞いてきた。

聞く相手を間違ってないか? と思わないでもなかったけれど

なんだか愉快だった。



 
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その後

3人目の訪問者があった。

この列車の車掌の男性。

「あなたはどこまで行くのか?」と聞かれたので

「ザルツブルグ」と答えると

「途中で水害のために線路が不通になっている。

 この列車はザルツブルグへは行かない。

 あと10分で次の駅に着いたら、降りて

 ザルツブルグ行きの代行バスに乗りなさい」

と、彼が言ったと思う。

(「思う」というのは、あくまでドイツ語訛りの英語だから

 こちらは感覚で聞き取るしかないのだ)

「ネクストステイション、アイハフトゥー
 
ダウン(正しくはゲットオフ)トレイン?」

と聞くと、彼は「イヤー」と頷いた。

余談だけれど

英語が滅茶苦茶苦手な私。

学校で習ったように、頭の中で疑問文を作っていると

会話にならないので

質問は単語を並べて語尾を上げることにしている。

これが通じる。

めちゃくちゃでもなんでも話せばなんとか通じるものだ。




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半信半疑のまま、次の駅で降り

駅前ロータリーに出ると、ちゃんとバスが待っていた。

しかし、日本人の彼らの姿がない。

ヒヤヒヤしながら待っていると

バスが出る寸前で、乗り込んで来た。

やはり同じ日本人のことは気になるから

彼らが無事に乗り換えてくれたことが、とても嬉しかった。




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1時間も揺られただろうか。

バスがザルツブルグに着いた。

日本人の彼らとは

「お元気で」「よい旅を!」と別れた。

ここからまた、私は一人だ。





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駅に着いて

まず、トイレを探した。

ヨーロッパでは当たり前の有料トイレ。

ポケットのコインを探る。

当然だが、チェココルナしか持っていなかった。

日本を出るときに両替したユーロ紙幣をコインに変えなければ

トイレにも入れない。

どうしたものか、と思っていると

見知らぬ(たぶん)オーストリア人の初老の男性が

入り口にコインを投入して手招きをする。

どうやら「中に入れ」と言っているらしく

遠慮しないで好意に甘えた。

用を済ませて先ほどの入り口(出口)まで戻ってくると

男性がまだいた。

「サンキュー」と私が笑うと

彼が私に50セント硬貨を一枚手渡してくれた。

「ノーサンキュー」と慌てて言ったが

たぶん男性は「いいからとっとけ。またトイレ行くだろ?」と

言ったのだと思う。

ニコニコ笑顔で手を振りながら、去って行った。




私は東洋人で

おばさんで

小さくて

なさけなくて

たった一人で




だけどやっぱり人は優しい。




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ほんのささいな出来事に励まされて

私はその日の宿にたどり着くために

バス停を探した。

バス停は簡単に見つかった。

オーストリアという国は、文化や民度が高いのだろう。

経済的にも豊かな国だ。

だから、公共の乗り物や施設利用は

とても分かりやすく、かつ、便利だった。



だから、人々もきっと優しいのだろうな。








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